【判例から見る】管理監督者の扱いについて
2023/10/26
社会保険労務士法人Aimパートナーズです!
「管理職は残業代が出ない。」
このような認識を持っている方はいらっしゃいませんか?
確かに労働基準法第41条では「事業の種類にかかわらず監督若しくは管理の地位にある者又は機密の事務を取り扱う者」については労働時間、休憩及び休日に関する規定が適用しないとの記載があります。
しかし、この「事業の種類にかかわらず監督若しくは管理の地位にある者又は機密の事務を取り扱う者」(管理監督者)に該当するかしないかで裁判となった判例はいくつも存在しています。
もし、管理監督者として扱っている従業員がいる会社は、実際にあった判例【日本マクドナルド事件(H20.01.28東京地判)】から、自社の従業員がしっかりと管理監督者に該当しているのか確認していきましょう
【目次】
◆日本マクドナルド事件 (H20.01.28東京地判)
◆判旨
◆まとめ
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◆日本マクドナルド事件 (H20.01.28東京地判)概要
ハンバーガー販売会社であるY社は、就業規則において店長以上の職位の従業員を労基法41条2号の管理監督者として扱っていた。しかし、直営店の店長であるXが、同条の管理監督者には該当しないとしてY社に対して過去2年分の割増賃金の支払等を求め、提訴。
東京地裁は、管理監督者に当たるとは認められないと判示した。
◆判旨
この判例では、以下の判断基準より管理監督者性の有無を判断すべきであるとされました。この基準に対するマクドナルド事件での見解とともにご紹介します。
- 職務内容、権限及び責任に照らし、労務管理を含め、企業全体の事業経営に関する重要事項に関与しているか
⇒ 店舗運営に関する重要な職責は負っているが、店舗内事項に限られ、経営者と一体的立場において事業活動することが要請されているといえるような、重要な職責と権限を付与されているとは認められない。
- 勤務形態が労働時間等に対する規制になじまないものであるか
⇒ 交替勤務に組み込まれ、長時間の時間外労働を余儀なくされていたことから労働時間に関する自由裁量性があったとは認められない。
給与(基本給、役付手当等)及び一時金において、管理監督者にふさわしい待遇がされているか
⇒ 手当はついていたものの、店長の下位の職位の平均年収と比較しても十分な待遇とはいえない
◆まとめ
いかがでしたでしょうか。
管理監督者としての扱いをしている従業員のいる会社は、かなり不安を感じられたのではないでしょうか。
また管理監督者として認められるようなケースであっても、適用除外とされるのは労働時間、休憩及び休日に関する規定のみであり、深夜割増や年次有給休暇、安全配慮義務については適用となる事にも注意が必要です。
「管理監督者として該当しているか不安」「どれくらいの給与設定にすればよいのか」など管理監督者の扱いについてお困りの方はお気軽に社会保険労務士法人Aimパートナーズまでお気軽にお問合せください!
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