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ワーク・ライフ・バランスの実現に向けて年次有給休暇の取得を促進

   

 10月は政府として「年次有給休暇取得促進期間」としています。4月入社の労働者が、半年経過し、有給が初めて付与されるのが10月という理由からでしょうか。

 政府では、少子化社会対策大綱(令和2年5月29日閣議決定)などで、令和7年までに年休の取得率を70%とすることを目標として掲げています。一方で、令和2年に年休の取得率は56.6%と過去最高となったものの、政府が目標とする70%には届いていない状況です。

働く人のワーク・ライフ・バランスの実現のためには、企業等が自社の状況や課題を踏まえ、年休を取得しやすい環境づくりを継続して行っていくことが重要と報道発表の資料に記載されています。

 その取り組みとして、(1)休暇取得の確実性が高めるため年休の計画的付与制度※1を導入すること、(2)働く人の様々な事情に応じた休み方に対応するため時間単位年休※2を活用することなどが考えられます。

※1:年休の計画的付与制度

年休の付与日数のうち5日を除いた残りの日数について、労使協定を結べば計画的

に年休の取得日を割り振れる制度

※2:時間単位年休

年休の付与は原則1日単位だが、労使協定を締結すれば、年5日の範囲内で時間単位

の取得ができるもの

 

 厚生労働省では、こうした年休取得促進に向けた取り組みを推進するため、「年次有給休暇取得促進期間」を通じて、機運の醸成を図っていきたいようです。

 さて、年次有給休暇が発生する条件について、労働基準法上、どのような要件となっているか、今一度確認をしてみましょう。

 労働基準法第39条で「使用者は、その雇入れの日から起算して6箇月間継続勤務し全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない」と規定されています。

 6か月間継続勤務というのはイメージが湧くかと思いますが、全労働日の8割要件について少し深堀していきましょう。

【8割要件の計算】

8 割要件を満たしているかの計算は、出勤率をもって判断します。この出勤率は、出勤日数(算定期間の全労働日のうち出勤した日数)を全労働日(労働義務が課せられている日のことで、就業規則等で定めた休日を除いた日数)で除して計算します。

 出勤日数には、休日出勤した日は除く一方で、遅刻や早退があったとしても、その日は出勤しているため、含めます。この出勤率を計算する際に、分母の全労働日から除外される日と、分子の出勤したものとして取り扱う日が定められています。全労働日から除外される日数には、以下のものがあります。

  • ①使用者の責に帰すべき事由によって休業した日
  • ②正当なストライキその他の正当な争議行為により労務が全くなされなかった日
  •  

 例えば、新型コロナウイルス感染症の影響により、会社独自の判断で従業員を休業させた場合は①に該当し、休業させた日を全労働日から除外して、出勤率を計算します。

 

 一方、出勤したものとして取り扱い、出勤率の計算の際に出勤日数および全労働日に含めるものとしては、以下のものがあります。

① 業務上の負傷・疾病等により療養のため休業した日

② 労働基準法に規定する産前産後休業を取得した日

  • ③育児・介護休業法に基づき育児休業または介護休業した日
  • ④年次有給休暇を取得した日
  •  

 例えば、算定期間においてすべて育児休業を取得していた場合、休業日数を全労働日に含

み、出勤したものとして取り扱う日数にも休業日数を含むことから出勤率は10 割となり、実際に勤務した日数がないとしても年休の付与を行います。

 

【特別休暇の取扱い】

 会社独自の休暇である特別休暇や、育児・介護休業法による子の看護休暇・介護休暇を取得した日等については、法令での定めはないため、それぞれの会社で出勤率の計算の際にどのように取り扱うかを決めることになります。一般的には出勤したとみなして出勤率を計算する方法が多くみられます。

 

 以上が年次有給休暇の基本的事項となります。弊所も社会保険労務士事務所として、年次有給休暇の年5日消化を促しています。経営者の皆様におかれましても、年5日の年次有給消化ができなかった場合、従業員とのトラブルを起こす可能性もありますので、この機会に取得を促してみてはいかがでしょうか?

うちの会社では年次有給休暇の取得率がまだまだ低い、などでお困りの経営者、人事総務担当者の方は、年次有給休暇の計画的付与などの導入を考えるのもいいかもしれません。

 計画的付与を導入する場合、労使協定や就業規則の見直しが必要ですので、是非、札幌・東京の社会保険労務士事務所、Aimパートナーズへご相談ください。

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