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固定残業代について ~計算ミスを防ぐポイント~

   

社会保険労務士法人Aimパートナーズです!

「うちは固定残業代を導入しているから、残業時間にかかわらず一定額を支給していればOK」

そんなふうに思っていませんか?

実は“固定残業代”制度は、運用ルールをきちんと守らないと無効になるケースもあるので注意が必要となります。
今回は、人事・労務・給与計算担当向けに、

「固定残業代を導入する際の計算ポイント」や「よくある勘違い」について解説します。

 

 

【目次】

◆固定残業代とは?

◆固定残業代が“有効”であるための3つの条件

◆よくあるミスと対策

◆まとめ

 

 

◆固定残業代とは?

固定残業代とは、一定時間分の時間外労働・深夜・休日労働をあらかじめ給与に含めて支給する制度です。
たとえば「月30時間分の残業代として5万円支給」など、実際の残業時間にかかわらず一定額が支払われます。

労働基準法上、残業代は「時間外労働に対する割増賃金」として定められており、

法律では労働者を保護するためにその支払いが義務付けられています。

固定残業代は、この法定の残業代支払い義務を果たすための一つの手法として用いられています。

 

◆固定残業代が“有効”であるための3つの条件

① 何時間分か明記していること(例:30時間分など)

② 内訳(基本給と残業代部分)が明確に分かれていること

③ 就業規則や雇用契約書で明示されていること

→ 時間数が明記されていないと、“単なる手当”扱いになり、

実際の残業代を別途支払う必要が出てきます。

 

◆よくあるミスと対策

【ミス①】実際の残業が固定時間を超えているのに、超過分を払っていない

→ 固定残業30時間分を支給していても、実際に40時間残業したなら追加10時間分の残業代が必要です。

【ミス②】基本給と残業代が混ざっている

→ 給与明細に「月給〇〇円」とだけ書いてあると、どこが残業代か不明確でトラブルに。

→ 明細や雇用契約書で「基本給:〇円」「固定残業代:〇円(○時間分)」と分けて記載しましょう。

【ミス③】休日出勤・深夜手当も“固定”に含めてしまっている

→ 法定休日出勤・深夜手当は別途支給が原則。固定残業代に含められるのは通常の時間外労働分のみです。

ただし,労働協約,就業規則その他によって深夜業の割増賃金を含めて

所定賃金が定められていることが明らかな場合には別に深夜業の割増賃金を支払う必要はないとされています。

 

💡ワンポイント

「固定残業代は30時間分」で契約していても、毎月30時間働くとは限りません。
実際に残業ゼロだった月でも30時間分支給する必要があります。
→「実際の残業がないなら払わなくていいよね?」はNGです。

 

📝 例題:計算ミスを防ぐチェックポイント

  • Aさんの契約内容:
     ・月給:25万円(うち固定残業代5万円/30時間分を含む)
     ・実際の残業時間:40時間

    → 5万円は30時間分として既に支給されているので、
     残り10時間分の残業代を追加で支払う必要があります。
     (例:1時間あたり残業単価が1,667円なら、追加支給額は約16,670円)

 

◆まとめ

固定残業代は便利な制度ですが、正しく運用していないと労務トラブルの火種に。
・何時間分か明記する
・超過分は別途支払う
・基本給と明確に区分する
この3つを意識して、リスクのない給与計算を行いましょう!

 

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